小学生の男子です。前歯の咬み合わせが逆になっているとの学校歯科検診の指摘を受け、来院されました。歯並びは上下前歯が側方乳歯の一部が反対に咬んでいました。分析の結果、骨格的反対咬合の要素も見られました。今後の顎の成長によっては永久歯列期以降に第二段階の治療をする可能性のあること、主に思春期に見られる旺盛な下顎骨部分の成長によっては最終的に十分な反対咬合の改善に至らない可能性があることをお話しし、了承を得て第一段階の治療を始めました。

前歯部に矯正装置を装着して、可撤式矯正装置と組み合わせることで反対咬合を改善しました。成長期の反対咬合改善により、普段から上下の歯が噛んで使われることによるバランスの取れた成長を期待しています。一部歯並びに空隙が見られますが、レントゲン写真では上下顎ともに顎骨の大きさと歯の大きさの不調和（ディスクレパンシー）が見られることから、将来の第二段階の治療を念頭に、永久歯列完成と顎骨の成長を経過観察中です。

※ディスクレパンシー：歯と歯列弓（基底骨）の大きさに不調和があること。