矯正装置の装着に慣れるまでの間は、様々な違和感、不安、疑問が出てくるものです。多少の違和感、痛みは我慢するものなのか、すぐに対応してもらった方がいいのかなど、専門の先生が常駐しているので的確な判断が得られ、急患対応も可能になります。

問題解決までにかかる時間が短縮され、ストレスを最小限にすることで、不安が大きく解消されるでしょう。矯正治療は期間が長い治療ですので、ここは大切なポイントになるでしょう。

歯科医師だけでなく、歯科衛生士、歯科助手、受付の電話対応にいたるまで、患者さまのご要望に対して、スピーディーに理解、対応してもらえないことがあると聞きます。担当歯科医師から回答が戻ってくるまで時間がかかることが多いようです。

本来するべき対応が、専門の歯科医師、スタッフが不在のためできず、専門外スタッフにより応急処置で対応することで、原状復帰までにワンステップ時間が取られ、治療に遅滞が出ることがあります。

先日、当院でも月一回の割合で矯正医が来ている近隣歯科で矯正装置を取り付けた方から、まだ治療序盤であるのに転院の相談で来院されました。転院となれば費用負担が大きくなることが多いですが、それでも移りたいととのご希望でした。

矯正担当医の日数が月一日であることが、今後長丁場の矯正治療を続けていくことに不安が拭えなかったとのことです。いざ矯正治療を始め、装置が次々と口腔内に入り、抜歯が行われる時期は誰もが今後に不安を覚えるとのことでした。

そのような時に、素朴な疑問であっても直ぐに聞くことのできる担当医や矯正を知るスタッフがその場にいない、その積み重ねが不安の増幅につながると考えます。

「私は矯正の担当ではないので詳しくは判らないけれど」「矯正の先生が来た時に聞いてほしいのだけど」という枕詞の回答を受け続ければ、例え得た回答が正確であったとしても、結果として不安につながるかもしれません。

矯正専門医院であればスタッフや歯科医師間の会話の内容は、ほぼ全て矯正の患者さまに関することであり、電話受付を受けた患者さまからの内容も日常的にスタッフ間で共有されます。

結果として、患者さまが来院された時に誰に当たってもおよその症状や背景を把握した者が対応することが可能です。

一般歯科医院では電話受付で受けた患者さまの応対内容がスタッフに共有される機会はどうしても少なくなります。他のスタッフが矯正の知識がない、矯正の患者さまを担当していなければ共有しようがないからです。電話対応をする受付の方に矯正の知識経験が少なければ言わずもがな、聞き取るべき事柄を聞き取れない事態は無用なトラブルの原因になることが心配されます。