子どもの出っ歯の矯正治療例
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子どもの出っ歯(上顎前突)の症状について
出っ歯(上顎前突)は、上顎の前歯が前方に傾いていたり、下顎が喉側に後退していることで前歯が出ている状態です。成長段階のお子様の矯正治療は、歯の移動はもちろんですが、将来的な歯列を考慮して土台となる顎骨の発育のサポートと顎の位置を整える治療がメインとなります。お子様の出っ歯が気になる場合には、一度矯正歯科にて診断・相談をおすすめします。
出っ歯の状態と原因について
上顎の前歯が前方に出ている状態
上顎が前方に出ている状態
下顎の前歯が後ろに下がっている状態
下顎が後方に下がっている状態
主に上記4つの状態によって、出っ歯(上顎前突)になります。このような顎骨や歯の状態になる原因の一つに遺伝があり、全体のおよそ30%程と言われています。また、指しゃぶりや爪を噛むなどの癖、間違った舌の位置など後天的な要因によって、出っ歯になるリスクも高くなります。
受け口などの歯列に比べると治療を急ぐ必要はありませんが、歯が前方に出ている①の状態は衝突や転倒などによって、歯を損傷するリスクが非常に高いため、出来るだけ早い治療をおすすめしています。また、成長段階のお子様は骨が柔らかく、顎骨の移動も大人に比べスムーズに行えます。但し、成長を利用して矯正治療を行える時期も期間が限定されるため、④の状態も小児のうちに改善することをおすすめします。
子どもの出っ歯(上顎前突)矯正治療の開始時期について
顎の成長や発育は上顎と下顎で時期が異なるため、子どもの出っ歯の矯正治療は2段階に分けられることがほとんどです。個人差は多少ありますが、上顎はおよそ8~9歳で9割完成し、下顎は10~12歳頃の思春期(二次性徴)に身体の成長と共に大きく発達します。そのため、この時期を逃してしまうと大きな成果を得ることが難しくなります。そういった理由から当院では、7歳~9歳頃までに治療を開始することをおすすめしています。
子どもの出っ歯(上顎前突)を放置した際のリスクなど
顎関節症リスクが高くなる
前歯の噛み合わせが悪く、無意識のうちに顎を動かして物を噛めるようにするなど、咀嚼の際に顎骨に負担がかかるため、顎関節症リスクが高くなります。
前歯を損傷・喪失する可能性が高くなる
前歯が前方に出ているため、転倒や衝突の際に前歯を傷つけたり、失ったりする可能性が高くなります。
虫歯・歯周病になりやすくなる
出っ歯は無意識下でお口が開いていることが多くあります。特に睡眠中などは口腔内が乾燥するため、唾液の殺菌作用が得られずに菌が繁殖し、虫歯や歯周病になりやすくなります。
風邪などをひきやすくなる
出っ歯の方は、口呼吸になりやすい傾向があります。口には鼻のようにフィルターの機能がないため、細菌やウィルスが直接体内に入りこむことによって、風邪やインフルエンザなどの感染症リスクが高くなります。
子どもの出っ歯(上顎前突)の基本的な治療法について
小児の歯列は叢生(デコボコな歯並び)なども複合している場合が多いため、出っ歯の改善と共に矯正治療を施します。取外し可能な装置を使用して、歯の傾きや顎の正常な成長・位置へと誘導します。
食事や歯磨きの際には装置を外すこともできますので、日常の生活に支障なく続けていただけます。治療期間の目安としては、第二次性徴が終わる頃となります。
子どもの出っ歯の矯正治療例(Before&After)と解説
▼静岡磐田矯正歯科で実際に実施した子どもの出っ歯の矯正治療例をご紹介いたします。
子どもの出っ歯の矯正治療例①(小学生女の子・治療期間6年1ヵ月)
年齢・性別 | 小学生女の子 |
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治療期間 | 6年1ヵ月 |
抜歯 | 上下左右1本ずつ |
治療費 | 660,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・歯の移動に伴う鈍痛や歯根吸収が生じる場合がある。 ・歯が綺麗に並んだ後は、保定処置を行わなければ歯が後戻りする場合がある。 |
小学生の女の子です。出っ歯と過蓋咬合をお母さまが気にされて来院されました。まだ子供の歯が多く残る年齢だったため、治療を2段階に分け、先ず取り外し可能な装置により後方に後退傾向であった下顎位置の改善を行いつつ、噛み合わせの悪化に影響する習癖の改善を行う1期治療を行いました。その後、出っ歯の改善と奥歯の噛み合わせのずれを改善するため上下左右1本ずつの抜歯により2期治療を行いました。
子どもの出っ歯の矯正治療例②(小学生女の子・治療期間5年7ヵ月)
年齢・性別 | 小学生女の子 |
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治療期間 | 5年7ヵ月 |
抜歯 | 上下左右1本ずつ |
治療費 | 660,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・歯の移動に伴う鈍痛や歯根吸収が生じる場合がある。 ・歯が綺麗に並んだ後は、保定処置を行わなければ歯が後戻りする場合がある。 |
小学生の女の子です。歯並びの乱れを気にされて来院されました。分析の結果、出っ歯かつ全部の歯が生える場所が足りない状態でしたが、奥歯の噛み合わせが良かったため、最初は矯正装置を使わず計画的に乳歯および永久歯の抜歯を行うことで、歯並びの乱ぐいを防ぐ連続抜去法を用い1期治療を行いました。その後、出っ歯の改善のため、固定の矯正装置を取り付け2期治療を行いました。
子どもの出っ歯の矯正治療例③(小学生女の子・治療期間6年5ヵ月)
年齢・性別 | 小学生女の子 |
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治療期間 | 6年5ヵ月 |
抜歯 | 上下左右1本ずつ |
治療費 | 660,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・歯の移動に伴う鈍痛や歯根吸収が生じる場合がある。 ・歯が綺麗に並んだ後は、保定処置を行わなければ歯が後戻りする場合がある。 |
小学生の女の子です。上顎の乳臼歯を虫歯で早期に失ったことにより、永久歯の奥歯の咬み合わせがずれてしまいました。治療を2段階に分け、先ずヘッドギアタイプの部分的な装置によって、第一大臼歯の咬み合わせのずれを改善しました。その後、上下左右1本ずつの抜歯により前歯の前突感の改善と叢生の解消を目的とした2期治療を行いました。
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